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2008-04-08 Tue 17:30
私のシャスタへの旅は、「シャスタのガイドブック兼写真集」の制作プロジェクトから唐突に、しかし、まるで当たり前のように始まったわけですが、それは、私の内側に潜む、まだ見ぬ自分自身に出会う為の「内なる旅」へと向かう大切な第一歩でもあったように思います。
![]() ※ここに掲載されているすべての写真の著作権は、写真家中尾好孝に帰属します。無断転用、転載はご遠慮ください。 2003年8月。当時乗っていた20年落ちでクーラーなしの愛車に撮影機材を積み込み、活動拠点であるカナディアンロッキーの麓からまだ見ぬシャスタ山がある北カリフォルニアに向けて意気揚々と出発しました。シャスタまでは、片道2500キロ強の道のりで、いくつもの峠と無数の小さな村を越え、休みなしで車を走らせても約一日かかるロングドライブです。道中、峠の一つにさしかかった時、突然、実に気持ちの良い「波動」を感じさせる大きな山の頂の一部が顔を出しました。見ているだけで鳥肌が立ち、吸い込まれそうな感覚さえするその山は、直ぐに私の視界から消えてしまいましたが、次なる峠に差し掛かると同時にその全容を明らかにしました。直感的に「シャスタ山だ!」と感じ、衝動的に車を路肩に停めて地図で確認してみたところ、やはりそれは、まさしく私が目指していたお山だったのです。シャスタ山がどんな姿をしているのかさえ知らず、何の根拠も確信もなかった当時の私ですが、お山から発せられる表現不可能な力強いエネルギーと気高いその姿は、その場の持つ特別な何かを無言で物語っていました。私は、一瞬にしてシャスタ山に魅了されてしまったのです。 シャスタ到着後、山のやや東側にあるMcCloud(マクラウド)という昔は林業で栄えた小さくて可愛い街のキャンプ場を拠点に決め、いよいよ待ちに待った撮影が始まりました。到着した日は満月でしたので、それを写真におさめようと、早速、月がシャスタ山から昇る位置を予想しながらあちこちロケハンに出ることにしました。夕暮れ時の心地良い空気に包まれながら、西側に月が昇る最高の場所を見つけ、車を停めて待つ事暫し。眩しい満月が顔を出し、その光に照らし出されたシャスタ山の姿は、撮影する事すら忘れて見とれてしまうほどの美しさでした。軽い興奮の中、撮影初日は夜のとばりに消えて行き、すべては順調に進むだろうはずだったのですが、そう易々といかないのもシャスタマジックの粋な計らいなのでしょう。 撮影開始2日目から、シャスタ山を中心に各スポットへ車を走らせ精力的にスケジュールをこなしていきました。ご存知の通り、シャスタは殆ど観光地化されていない、アメリカ人にすら余り知られていない場所で周辺の見所への道路標識などはないに等しいにもかかわらず、予想以上にわかり易い地形で覚え易く、幸運にも、ほとんどのスポットは問題なく見つけ出すことが出来ました。しかし、砂漠の中にあるプルートケイブという洞窟だけは全くの例外だったのです!事前に、シャスタ山の北側に位置するウィ−ドという町の観光案内所で行き方を確認したというのに、あまりにも大雑把で鷹揚な説明だったせいか、はたまた自分の英語力が足りなかったせいか、その洞窟の発見には困難を極め、ほぼ半日も費やしてしまいました。 先ず、メインの道路から左折するべきことを知らされておらず、そこから数十キロも行き過ぎてしまい、「これは違うぞ?!」と引き返し、洞窟の近くまでたどり着いたのは良かったのですが、今度は洞窟の入り口への小道が発見できません。道を尋ねようにも砂漠周辺には民家も店も皆無で車も全く通らない・・・。灼熱の太陽の下、諦めて帰りかけた時、消防隊員の車が目に飛び込んできました。すがる思いで洞窟までの道順を尋ねると、「かなり分りづらいので入り口まで案内してあげるよ!」との嬉しいお言葉。誘導されて到着した洞窟の入り口近くの電柱には、な、なんと、絶対にわからないような小さな文字で「プルートケイブ」と書かれていたのです!!これじゃあ、いくら方向感覚に優れていても探し出すのはちょっと難しいのでは・・・と思わずにはいられませんでした。ガイドブックだけを頼りに、迷わずに洞窟へ行かれた皆さんは、大袈裟ではなく、その場に呼ばれた特別の方達なのかもしれませんよ?! こんなハプニングもありましたが、大いなる自然の魅力にふれながらの10日間に及ぶ初のシャスタ撮影旅行は、プルートケイブ以外、早朝から日暮れまで計画通り順調に進んで無事終了。そして、私は、後ろ髪を引かれるようにシャスタ山を後にし、ガイドブックはめでたく世に出ることとなりました。 |
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| シャスタ山からの贈り物 |
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